【環境保健】豚インフルエンザの対応に関するお願い(2009/04/29)
メキシコで人への感染事例が確認された新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)に関して、WHO(世界保健機関)ではフェーズ4が宣言され、全世界的な拡大の懸念から、感染拡大防止の措置が要請されています。日本の厚生労働省においても、新型の感染症として、関連法令に基づく強制的措置を含む検疫強化により水際で阻止することに全力を注ぐことが発表されました。
日本国内では、感染症の問題が起こるたびに、隠れた問題として、化学物質の乱用の問題が起きています。そこで、JPCCNといたしましては、以下のように、防疫用・消毒用などとして使用される化学物質の乱用に注意していただきますよう、注意喚起をお願いいたします。また、他の情報源でも注意喚起が行われているように、科学的考察が充分に行われていない質の低い情報には十分に注意し、「豚インフルエンザを理由に豚肉を避ける」などといったような過剰反応に走ることのないよう、あわせてお願いいたします。
●防疫用・消毒用化学物質対策に関するお願い
インフルエンザは飛沫経由が最も感染リスクが高いとされ、マスクの着用や粘膜の乾燥防止が予防に有効とされています。また、皮膚接触を介する感染リスク低減の対策として、手洗いも有効とされていますが、特別な方法による必要はなく、こまめに行うことが重要であるとともに、石けんによるウイルス粒子の物理的な洗い流しで充分であるとされています。豚インフルエンザ対策用として、特別に防疫用・消毒用の薬剤等を用意する必要はありません。とくに、薬用石けんなどに使用されるトリクロサンなど有機塩素系殺菌剤や塩化ベンザルコニウムなどの陽イオン界面活性剤(逆性石けん)は、環境に対するリスクが非常に高い物質ですので、充分注意してください。
なお、養豚・養鶏で使用する防疫用薬剤の使用に関しても、周辺環境や食肉への品質に悪影響を与えないよう、注意をお願いいたします。インフルエンザ対策に用いる防疫用薬剤としては、基本的には消石灰(周辺土壌への散布)とエタノールがあれば充分です。人や環境に対するリスクの高い、陽イオン界面活性剤などを有効成分とする薬剤の使用は避けてください。
●豚肉のリスクコミュニケーションに関するお願い
他の情報源でも注意喚起されておりますとおり、豚肉は加熱調理のうえで食べられるものであることから、豚肉の摂取が原因で豚インフルエンザに感染することはまず考えられません。しかし、豚飼育時に合成抗菌剤や抗生物質のような動物用医薬品を多用する生産方法は、感染症に対する抵抗力を低下させ、感染爆発のリスクを高める原因になり得ます。従いまして、従来よりJPCCNがお願いしておりますように、豚肉購入の際は、動物用医薬品の使用履歴を必ずご確認のうえで購入していただきますよう、お願いいたします。
なにより、科学的理解のもとで、冷静で的確に対応することが重要です。
豚インフルエンザ対策に資するリスクコミュニケーション情報については、逐次追補する予定です。
JPCCNでは、豚インフルエンザ対策に関する化学物質使用に関しての相談を受け付けております。メールフォームでお問い合わせください。
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