ポジティブリスト時代の総合化学物質トレーサビリティ(農薬・動物用医薬品・飼料添加物)
2006年5月29日より、改正食品衛生法(ポジティブリスト制度)が施行されました。これは、単に遵守する(コンプライアンス)だけのための制度ではなく、食の安全をさらに高い水準で実現することを求める社会のメッセージであると、JPCCNは考えます。すなわち、この社会の変化は、化学的コンタミネーション要素(この場合、農薬・動物用医薬品・飼料添加物)による食材のコンタミネーションを予防的手段により未然に防止し、情報開示システムによる情報の共有化や品質保証を科学的な考え方に基づいて実現することが求められていることを意味します。JPCCNでは、化学的コンタミネーションを未然に防止するための化学的ノウハウを提供するとともに、化学情報コミュニケーションによる品質保証のしくみづくりを進めています。
DBシステムの基本的な考え方や構築方法は食品添加物トレーサビリティの場合と同じであり、個々の化学物質のリスクコミュニケーションはJPCCNがサポートするものです。


(参考)ポジティブリスト制度対応一括分析受託サービスは、「食の安全・安心」を実現するか?
ポジティブリスト制度の施行に伴い、分析事業者による残留農薬等の一括分析受託サービス(GC/MS, LC/MS(/MS)などの機器分析サービス)が増えています。このようなサービスは、輸入食品や一部の慣行栽培農産物のような、何らかの農薬などが残留している可能性が明らかに疑われる場合に実施されるものであり、JPCCNの化学情報コミュニケーションによる予防的ソリューションサービスとは対極的ともいえる考え方に基づくものです。機器分析は一見して高精度のような印象を受けます。しかし、実際には必ずしもそうではなく、例えば、体内での代謝産物分や試料前処理段階で生成した予期せぬ分解物をカウントしない場合があり、その分が過小評価されることが多くあります。ましてや数百種類の同時定量の場合は、そのような傾向がより現われやすいといえます。このように、現状の定量分析は科学的な不確かさの要素も多く持っており、必ずしも完全な方法であるとはいえません。サービスのスペック(同時定量物質数など)やサービス提供事業者により差異はありますが、概ね数十万円/検体が相場であり、費用対効果の観点でも疑問が残ります。
JPCCNでは、「疑わしいものは避ける」を原則としたコンサルテーションを基本とし、その実践結果を化学情報コミュニケーションにより保証するしくみをご提案します。ですから、実際に販売される食品は、厚生労働省告示第498号に定められた物質やJPCCNが十分に安全と認める物質を生産物防疫管理等に使用したものとなり、残留する可能性のある化学物質は、ポジティブリスト制度の規制対象外であったり、もしくは有機JAS(*注)のような規格を満たすもののように、安全性が十分に高いとみなされるものとなります。つまり、
JPCCNの化学情報コミュニケーションによる予防的ソリューションサービスを導入することにより、ポジティブリスト制度対応の定量分析を行う意味自体がなくなることとなり、結果として大幅な経費削減とマネジメントシステムの高効率化につながることが期待されます。

とくに、自然食品店(卸業者)、生活協同組合、オーガニックレストラン、ホテル・旅館、百貨店など、高度な顧客ニーズや品質保証が要求される事業者に最適のソリューションです。

(*注)有機JAS規格で使用が認められている防除資材に含まれる化学物質のすべてが安全であるというわけではありません。JPCCNでは、このような防除資材であっても、その中に含まれる化学物質一つひとつの安全性について十分な検討を行ったうえで、使用の可否や化学情報コミュニケーション方法についての提案を行います。


ポジティブリスト制度について
「ポジティブリスト」とは、使用禁止内容を定める「ネガティブリスト」の反対語であり、認められる範囲を定めるものです。具体的には以下のようになっています。
  1. とくに個別の残留基準が定められていない食品(食材)と化学物質(農薬・動物用医薬品・飼料添加物)との組み合わせに関しては、その化学物質の残留基準として、0.01ppm以下(であれば出荷しうる)という一律基準が定められました。この基準を満たさない食品については、いかなる場合も出荷ができなくなりました。このような一律基準の設定の背景には、農薬取締法で定められていない適用外使用問題の対策、従来の国内法での規制に限界があった輸入食品の規制に関する法的整備、近隣圃場などからの飛散(ドリフト)によるコンタミネーション対策などがあります。
  2. 厚生労働省告示第498号で、「人の健康を損なうおそれのないことが明らかである物質」65種が厚生労働大臣により定められました(例:オレイン酸(農薬ではオレイン酸ナトリウムに相当)、硫黄)。これらの物質については、ポジティブリスト制度の対象外物質であり、とくに残留基準は設けられていません。
  3. 個別の残留基準が定められている化学物質(計799種)については、農薬取締法などの他の関係法規との整合性を保ちながら、国際基準、欧米諸国での基準などを踏まえて制定された暫定的基準値が定められ、加えて農薬などの登録時の明確な残留基準の設定を促進することになっています。これらの基準を満たさない食品については、いかなる場合も出荷ができなくなりました。
  4. あわせて、使用禁止農薬や発がん物質など、検出されてはならない物質が明確に定められました。
法令に関する詳細は、厚生労働省ホームページ(http://www.mhlw.go.jp/)をご覧ください。

JPCCNでは、ポジティブリスト制度対象化学物質に関するリスクコミュニケーションを実施しております。
物質名(一般的に認知されている慣用名もしくはIUPAC名)を明記のうえ、メールフォームでJPCCN全国代表事務局までお問い合わせください。

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